70歳で20人に1人、75歳で10人に1人、80歳を超えると4人に1人が要介護状態になると言われています。他人事だと思わずに、介護が必要になった時に、どうするか備えておくことが大切です。

「要介護２」までは「必要なときに手をかす程度」のサポートで済みますが、「要介護３」以上になると「ほとんど終日」の介護が必要です。介護を1人に負担させない方法を予め考えておきましょう。

注）「要介護３」以上の方の介護者の場合

「要介護者等」からみた「介護者」の続柄は、「配偶者」が23%、「同居の子」が16%、「同居の配偶者」が5%、「別居の家族」が12%。親が遠方に住んでいる場合は、さらに介護は大変になります。

生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」によると、介護に要した平均期間は61.1ヵ月。回答者の約5割は、4年以上介護したと回答しています。介護には長期的な視点でのプランニングが必要です。

65歳以上の平均的な世帯を想定した添付の図のようなケースでは、収入20.9万円に対し、支出が26.3万円、毎月約5万円の赤字が発生。20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の不足が生じると言われています。

「入居型介護施設」への入居費用は平均約 74 万円、「在宅介護」の初期費用は平均約 64 万円。調査では「準備していたよりも高い」「準備していなかった」という回答が約 7 割を占めており、想定外の出費に驚く方も多いようです。

厚生労働省によると国民1人当たりの生涯医療費は2700万円、このうち約1600万円は65歳以上で必要だと言われています。自己負担率が3割でも480万円、2割でも320万円、医療費がかかる計算になります。

日常生活に制限なく暮らせる期間（健康寿命）と平均寿命の差は、男性：8.7年、女性：12.1年。この差が、誰かのサポートが必要になる期間だと言えます。健康寿命を延ばすためにできることを今から確認しておきましょう。

2025年には5人に1人、20%が認知症になるという推計もあります。認知症の要因は加齢にあることから、超高齢社会で暮らす私たち誰もが認知症になる可能性があります。

介護に関連して多い悩みは「家族の病気や介護」（59%）、「自分の病気や介護」（18%）。自分自身の高齢・病気の心配を抱えながら、介護に取り組んでいる介護者が多いのが実状です。
注（）は女性の回答

生活習慣病関連では受診時に「自覚症状がなかった」人の割合が高く、「健康診断（人間ドックを含む）」や「他の医療機関等で受診をすすめられ」て、生活習慣病に気づく人が多いようです。